2015.05.21 Jのコラム
SSRIとはSelective Serotonin Reuptake Inhibitorの略で、「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」という意味です。
難しい名前ですが、要するに、セロトニンを増やすお薬ということです。
神経と神経の間を神経間隙と言いますが、抗うつ剤は神経間隙のセロトニン濃度を増やすことで抗うつ効果を発揮します。
SSRIは神経間隙に放出されたセロトニンが吸収(=再取り込み)されるのをジャマ(=阻害)します。
SSRIによってセロトニンはいつまでも吸収されないため、いつまでも神経間隙に残り、神経間隙のセロトニン濃度が上昇する、という仕組みです。
有効性とは薬の効果で数字が大きいほど効果が高いことを示しており、忍容性とは副作用の少なさで、大きいほど副作用が少ないことを表しています。
レクサプロは有効性だけをみればリフレックスにやや劣るものの、有効性と忍容性両方を加味すると、トップと言ってもいい位置付けになっています。
「よく効くし、副作用も少ない」という理想的な位置に君臨しています。
また、即効性があるのもレクサプロの利点です。
レクサプロはSSRIの中で唯一、「開始用量が治療用量」であるお薬です。
例えばパキシルは10mgから開始し、1週間以上空けて20mgに増量します。
治療用量は20-50mgですから、治療域に入るまで最低でも2週間はかかります。
しかし、レクサプロは10mgから開始して、その10mgがすでに治療用量なのです。
ワンステップで治療域に入り、内服後1週間程度で効果を発現させることができるのです。
誰もが「できるだけ早く治したい」と思っていますから、即効性はレクサプロの大きな利点でしょう。
新しい抗うつ剤ということもあり、SSRIの中でも料金は一番高く、レクサプロ錠10mgで212.0円です。
例えば20mgを毎日内服すると、1日424円、月に12,720円かかります。
3割負担だとしても、1日127.2円、月に3,816円。
「お金は多少かかってもいいから、早く安全に治したい」という方におすすめできる抗うつ剤であると言えます。
レクサプロの効果が十分に出て、気分が十分安定したと感じられたら(=寛解(remission))、そこから6-12ヶ月はお薬を飲み続けましょう。良くなったからと言ってすぐに内服をやめてはいけません。
この時期は症状が再燃しやすい時期ですので、しっかりと服薬を続けましょう。
6-12ヶ月間服薬を続けて、再発徴候がなく気分も安定していることが確認できれば、「回復(Recovery)」したと考えます。
そして治療終了に向けて、2-3ヶ月かけてゆっくりとお薬を減薬していきましょう。
問題なくお薬をやめることができたら、治療終了となります。
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